睡眠不足については、数々の研究結果から、非常に良くないことが分かっています。
そこで、今回は具体的に睡眠不足は何が悪いのかデメリットについて説明していきます。
睡眠不足のデメリットは大きく分けて身体面とメンタル面がありますが、それぞれ個別に見ていきましょう。
身体面のデメリット
まずは睡眠不足による身体面のデメリットです。
身体面のデメリットには以下の8つがあります。
・筋肉が成長しない
・糖尿病になりやすい ・太りやすい ・肌が衰えやすい ・頭痛になりやすい ・風邪を引きやすい ・ガンになりやすい ・心臓病になりやすい |
1.筋肉が成長しない
2011年のサンパウロの精神生物学的研究センターの研究結果によると、筋肉は体の健康を維持するためにも、成長するためにも必要です。
そして、筋肉はレム睡眠時に回復されることが分かっています。
睡眠中に成長ホルモンが分泌されるため、筋肉を育てるためには睡眠が必要なのです。
しかし、睡眠が不足してしまうと、成長ホルモンも分泌されませんし、筋肉の回復も出来ません。
すなわち、筋肉の発達が遅れる可能性が生じてきます。
2.糖尿病になりやすい
2005年の米国医学研究所の研究によると、睡眠不足は糖尿病になるリスクが高まります。
なぜなら、睡眠不足は血糖値のコントロール能力を低下させてしまうからです。
血糖値がコントロール出来なくなってしまった結果、糖尿病になるということです。
具体的に2005年の研究では、睡眠時間が6時間の人は睡眠時間7〜8時間の人と比較すると糖尿病リスクは1.7倍も多かったというデータが出ました。
また、睡眠時間5時間の人と比較すると2.5倍も多かったというデータが出ました。
3.太りやすい
睡眠不足は食欲を増加させる作用があります。
食欲を増加させることは肥満の原因になります。
2004年の米国医学研究所の研究では500人の男女を13年間調べました。
その結果、1日の睡眠が7時間以下の人は睡眠時間が7時間以上の人と比較して約8倍も太っている確率が高いという結果が出ました。
4.肌が衰えやすい
2008年のウィスコンシン大学の研究では、肌トラブルとメンタルの悪化は同時に発生することが分かっています。
寝ている人は紫外線のダメージにも強く、傷の治りも速いとのことです。
反対に寝てない人の肌はボロボロになりやすいということです。
5.頭痛になりやすい
睡眠不足が原因で偏頭痛が発生しているという研究結果は沢山あります。
特に有名な研究は2004年のミシシッピ大学の研究結果です。
偏頭痛の原因はいくつか考えられますが、その中でも睡眠不足の影響は大きいとされています。
6.風邪を引きやすい
2009年のカーネギーメロン大学の研究では、睡眠時間7時間以下の人は睡眠時間が8時間以上の人に比べて風邪ウイルスの発症率が3倍高いことが分かりました。
7.ガンになりやすい
2003年のハーバードメディカルスクールの研究では、夜勤が多く体内時計が狂いやすい人(具体的には1か月に3泊以上の夜勤)は大腸ガンと乳がんの発症率が高いことが分かりました。
8.心臓病になりやすい
1996年の米国医学研究所の研究では、睡眠5時間以下の人は、心臓病の発症率が45%高いことが分かりました。
眠いのに起きていると血圧が上がってしまうため、心臓にダメージを与えやすいことが原因と考えられます。
メンタル面のデメリット
次にメンタル面のデメリットについて解説していきます。
1.不幸感が増加しやすい
2004年のダニエル・カーネマン氏の研究では、909人の女性を対象にした所、睡眠の質が悪くなるほど、幸福感が減少し、仕事のプレッシャーに弱くなりました。
2.学習が遅れやすい
2000年のハーバード大学の研究では、睡眠不足の参加者はテストの点数が悪いということに結果になりました。
また、新しいスキルを身につけるスピードが極端に遅かったという結果も出ました。
3.うつ病と不安になりやすい
2005年の米国医学研究所の研究では、睡眠不足の人はうつと不安の傾向が高いことが分かりました。
プライドも低くなるという結果になりました。
1996年のブラッドリー大学のメタ分析では、睡眠不足は人間の機能を大きく損なわせることも分かりました。
4.貯金が減りやすい
2011年の研究ではリスクの高い投資やギャンブルをやりやすいということが分かりました。
5.アル中になりやすい
2005年の米国医学研究所の研究では睡眠不足とアル中は相関関係があることが分かっています。
特に若い人はアル中になりやすいとのことです。
睡眠不足だと脳の報酬系がおかしくなってしまい、結果としてアル中などのリスクの高い行為を行いやすくなってしまうとのことです。
6.上手に喋れなくなりやすい
2010年のグダニスク大学の研究では、睡眠不足になると同じ単語を何度も使ったり、決まり文句の繰り返しが多くなり、単調なトーンでボソボソと喋るようになったとの結果が出ました。
自分の考えを上手に表現できず、イライラするケースも多かったとのことです。
7.事故の死亡率を高めやすい
スウェーデンの研究では、睡眠不足になると、交通事故の死亡率が2倍になることが分かりました。
注意力が下がるため、事故に巻き込まれやすくなることが原因だとしています。
8イライラと怒りが増加しやすい
2005年のイスラエル工科大学の研究では、睡眠不足はネガティブな感情を倍増させることが分かりました。
また、小さなことでも怒りを感じるようになることも分かりました。
最後に
睡眠不足は色々な研究結果から非常に良くないことが分かりました。
身体的にも精神的にもたくさんの悪影響を与えてしまいます。
従って、日々の生活の中で、睡眠時間の確保を中心に生活してみるのが良いでしょう。
睡眠時間を考慮して、余った時間を仕事や遊びの時間として費やす方が良いですね。